マンションの寿命はいつまで??

2019年3月20日更新

「うちのマンション、あと何年ぐらい住めるだろう」。ふと、そんなことを思った方は少なくないでしょう。
不安にも似た疑問ですよね。

建物も古くなってきた。これからの計画修繕や積立金は大丈夫だろうかなど、
そんなことを思い始めるのが築30年・40年目のマンションです。
そこで今回は、マンションの寿命について考えてみましょう。

100年以上は物理的にはもちそう

いつまでも あると思うな なんとやら……。
建物は、ずいぶん昔からそこにあり、この先もずっと在り続けるように思ってしまうものです。
現に、自分が子供の頃の建物が存在していたりします。

「100年住宅」なんて言葉を巷で聞いたこともあり、「まあ、大丈夫でしょう〜」などとタカを括ってしまう。


税法でいえば、法定耐用年数は47年

また、改修工事に興味があり勉強された方は「コンクリートの中性化の速度で決まる」と理解されているかもしれません。
実際はコンクリートが中性化しても鉄筋コンクリートの強度は変わらない上、
今は鉄筋の錆びの進行を抑える中性化補修工法もあります。

どうも、マンションの寿命を言い当てる考え方は定まっていないようです。

日本最古といわれる共同住宅は、世界遺産にもなった長崎の軍艦島
大正5年に建てられ、炭鉱の社宅として昭和49年までの約60年間使用されました。
現在は閉山から40年以上が経過し、一世紀を超える建物です。
すでに荒れ果て、住むことはできないが、躯体はしっかりと残っており、仮に計画的に修繕を行っていたとしたら、
使用することは可能であったでしょう。

つまり建物は、修繕し続ければ物理的には100年以上はもつということです。

国土交通省がまとめた、「RC造(コンクリート)の寿命に係る既住の研究例」によれば、
鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定」飯塚裕(1979)「建築の維持管理」鹿島出版会)、
「鉄筋コンクリート部材の効用持続年数として、一般建物(住宅も含まれる)の耐用年数は120年
外装仕上により延命し耐用年数は150年」(大蔵省主税局(1951)「固定資産の耐用年数の算定方式」)
となっており、十分に100年は超える耐久性があるものと考えられています。

一方で、寿命68年と言われるケースもありますが、
「固定資産台帳の滅失データを基に(中略)平均寿命を推計した結果、RC系住宅は68年」(小松幸夫(2013)「建物の平均寿命実態調査」)との指摘があります。
多くのマンションは、建物の限界を迎える前に、その役目を終了していることになります。

「若い世代に住みつなげる価値」が大事

ヨーロッパの古い建物は、鉄筋コンクリートではなく石造りが多いが、200年を超えるアパートメントもたくさんあります。
何世代もが受け継ぎ、歴史を刻んだ建物の方が価値は高いとさえいわれています。

若い時分に家族と暮らし始め、そのままマンションに住み続け、高齢となり終の棲家と決め込む、そんな人も多いです。
しかし、次世代に上手くつなぐことができず、人生を全うした後に空き家となりやすいのが、今の日本のマンションの現状です。
これからの日本は、マンションも含め空き家が増加し続けるといわれています。これは実に頭の痛い問題です。


ニッセイ基礎研究所のデータでは、世田谷区は、東京区部全体の分譲マンションが7.3%であるのに対して、
空家率が12.8%と極めて高い。
人口の多い都心にありながら、日本全体の空家率である13.5%に迫る勢いなのです。

世田谷区は住宅地であることから、早くから分譲マンションが供給されてきました。
最寄駅からバス便の立地でもたくさん建てられ、旧耐震マンションも多いです。
また、駅から遠い立地でも近隣の駐車場料金は高止まりの感があります。

そんな中古マンションは、若い世代にとっては、決して魅力的な条件とはいえません。
中古を購入するなら、第一に地震に堅牢な新耐震マンションで、できれば駅から徒歩圏、
そして少しでも安い駐車場が近隣にあるなどの条件から探すでしょう。

いずれにしろ、若い世代が住みたいと思えないマンションは、空き家リスクが高いということだ。
ハード面の維持やメンテナンスはとても大切です。
しかし、次世代につなげられるかどうかこそ、高経年マンションにとって重要な問題になってきます。
今後の日本のマンションが直面する空き家という「寿命の問題」を解決するヒントは、
若い世代に住みつなげる価値を創ることに間違いないと考えられます。

マンション寿命を決める管理状態

マンションの寿命を決める管理状態。

これは、大規模修繕がちゃんと行われているか、修繕のための資金が貯まっているかなどを確認すれば、そのマンションがどのように管理されてきたかがわかります。

逆に言えば、新築マンションでも、これからの管理をおろそかにすると、20~30年で、耐震性能が危ぶまれるマンションになってしまいます。
中古マンションの購入を検討している方は、築年数とともに、
それまでの修繕履歴などもしっかり確認するようにしましょう。


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